政策・提言

令和8年度当初予算編成に対する申し入れについて

  • 01

    総務

    齋藤県政はこれまで、委員会委員の報酬見直し、歳出削減と効率的な行政運営により生み出された財源を用いて次世代への投資を進めてきた。
    しかしながら、外郭団体の整理統合、企業庁の改革、分収造林事業、県有地の売却整理などの改革は道半ばとなっている。
    行財政改革の手を緩めることなく、兵庫県の活性化に向けて努力していくことを求めるものである。

  • 02

    健康福祉

    少子・高齢化社会を迎える中で、民生委員・児童委員の役割はより複雑・多様化・困難化しており、処遇改善と人材確保が喫緊の課題である。
    へき地医療のみならず、なり手の少ない産科や小児科、救命救急等の分野での医師確保を図る新施策が必要と考える。また赤字が恒常化している県立病院については新たな病院事業改革プランを立案し、診療報酬の拡大等の新たな視点で病院経営を行うべきと考える。
    県民の健康寿命を伸ばすため、本県特有の課題分析を十分行うとともに、分析に基づく具体的で実効性のある全県的な取り組みが必要である。また、今後の高齢者福祉を支える介護人材の確保は、福祉の2025年問題つまり、「団塊の世代」が75歳以上を迎える後期高齢者に移行することから、喫緊の課題である。
    高齢化対策としての認知症の早期発見・早期治療を図るための体制整備や、認知症のある高齢者が地域で安心して暮らすための取り組みをこれまで以上に積極的に行う必要がある。ユニバーサル社会構築に向け、諸施策を立案、実行し、一層の取り組み強化を行うべきと考える。

  • 03

    産業労働

    本格的な人口減少社会に入った現在、コロナ禍を経て県内経済は緩やかな回復基調にあるとはいえ、エネルギーや原材料価格の高騰、また物価高騰による景気の低迷、さらには米国の関税措置による先行きの不透明感等、社会を取り巻く環境は不安定な要素を抱えている。
    人材不足等による企業倒産も高い水準で推移しており、県内企業、特に全事業所の約99%、全従業員の約75%を占める中小企業に対する各種支援対策は、これまで同様継続して細かく進めていかなければならない。
    4月に開幕し、好評のうちに半年間の会期を終えた2025大阪・関西万博については、各種の調査データを可能な限り有効活用し、引き続き県関連事業の充実を図ると共に、神戸空港の国際化等も追い風とし、万博から得られた知見や教訓を踏まえた観光戦略につなげるべきである。

  • 04

    農政環境

    兵庫県は、五国(摂津・播磨・但馬・丹波・淡路)の気候・風土に根差した多彩な農林水産業が営まれており、これまで県民生活に欠くことのできない食料を安定的に供給し、古くから引き継がれてきた伝統文化とあいまって、潤いと安らぎに満ちた空間を提供し、一方で災害時の環境保全等の多面的機能を有してきた。しかし、全国的な農林水産業を取り巻く状況は厳しさを増しており、本県においても人口減少や高齢化による担い手の減少、荒廃農地の増加、基幹的施設の老朽化の進行に加え、不安定な世界情勢に起因する燃油・肥料・資材の高騰など多くの課題が顕在化している。
    こうした国内外からの厳しい状況の中、次代の力強い担い手の確保・育成に努め、その担い手へ集約化を進め、また収益性の高い農林水産物への移行等により儲かる農水産業を実現し、経営の安定化を図っていくことが重要である。さらに、地域が描く将来の展望が農林水産業にとって最適な環境となるよう、最先端技術を駆使したソフト施策との連携を強化し、新技術の活用や施設の統廃合・再編や最適な施設規模の検討により、コスト縮減を図るとともに、より一層の効率的・効果的な農林水産業の持続的発展を図ることが重要である。
    また、地球温暖化による異常気象や大規模災害が頻発し、地球規模で環境問題に取り組む重要性が増している。2050年カーボンニュートラルに向けて人々のライフスタイルを大きく転換させるため、県民への更なる省エネ型経済活動の普及啓発、次世代を担う子どもへの環境教育の推進にも取り組んでいくことが重要である。

  • 05

    建設

    近年増加している自然災害に備えるため、河川整備や土砂災害対策を推進していく必要がある。特に線状降水帯や豪雨が頻発しており、県が進めている地下貯留管や河川の浚渫工事を着実に実行していくことや、計画中の対策に関しても着実に実施していくことが重要である。
    また、ハード面では道路ネットワークの整備は県民生活の改善につながることから引き続き整備を進めるとともに、ソフト面では自家用有償旅客運送、ライドシェア等の活用により過疎地域における交通手段の確保を図っていく必要がある。
    さらに今年、本県は阪神・淡路大震災30年を迎えた。南海トラフ大規模地震の30年以内発生確率は80%であることから津波対策も喫緊の課題である。

  • 06

    文教

    今、目の前にあるメガトレンドは「気候変動」「テクノロジー」「人口減少」である。それらの対策をいかに進めていくか?各自治体の知恵と工夫の獲得競争であり、また都市間競争の施策展開の勘どころである。兵庫県の直近の課題は、「理工系人材」をいかに育成及び獲得していくのか?が大きな課題だと考える。
    現在、兵庫県のソフトの強みは「体験学習」と「留学支援」。阪神淡路大震災を教訓とした「トライやる・ウィーク」(中学生)や「海外武者修行プロジェクト」(高校生)を先頭に、短期及び長期の海外留学支援(高校生)を強化している。「躍動する兵庫」の実現を目指して取り組まれている各施策には一定の評価をする。今までの兵庫の教育は、「確かな学力」「学校・学区環境の選択」「キャリア教育」を重視してきた。また、「いじめ対策」「不登校児童・生徒への支援」「教員の働き方改革」も同時並行として取り組んできた。取り組んできた施策の方向性に対しては、我が会派は一定の支持を表明する。
    しかし、大きなトレンドが全国的に押し寄せてきている。それは、「私立高校の授業料無償化」と「中学校部活動地域展開」である。前者の「私立高校の授業料無償化」は、各都道府県の早急な「高校適正配置計画」が必要不可欠であると考える。県内の県立高校と私立高校、そして市立高校との共存をどのように考えるか?が大きなテーマとなる。また後者の「中学校部活動地域展開」における保護者負担はどれくらいの金額になるのか?国の制度設計が定まらないまま、県内の政令市である神戸市はR8年夏より本格的に地域移行に入る。我が会派は、この2点を特に重視した文教政策の提言を引き続き行っていく。

  • 07

    警察

    県下の刑法犯認知件数は、平成14年のピーク以来減少を続けてきたが、ここ数年、再び増加傾向に転じており、県民の体感治安は明らかに悪化している。この現状に対し、一層の警察力強化と、県民が日々の生活で感じる安心感を取り戻すための努力が不可欠である。特に、殺人事件や強盗事件といった重大犯罪の多発に加え、手口が巧妙化する特殊詐欺、ストーカー・DV、児童虐待といった複雑化する事件への対応が急務である。
    これらの課題に対応するためには、警察官一人ひとりの資質向上を徹底し、高度な専門知識と倫理観を備えた組織を構築しなければならない。また、県内に拠点を置く指定暴力団対策の強化はもちろんのこと、「半グレ」と呼ばれる新たな反社会的勢力の実態把握と取り締まりも強化する必要がある。若者の間での大麻や合成麻薬の乱用も深刻な問題であり、その対策も急務である。
    さらに、インターネットを使った新たな犯罪、SNS型投資・ロマンス詐欺は、被害額が高額に上るケースが多く、早急な対処が求められる。



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